福祉サービスの質の向上を考える上で重要な考え方(概念)をおさえておきたい。
まず、「サービスの質の保障」は基準や規制事項で、これを下回るとサービスの安全性などが保障されないもので、法令違反、場合によっては損害賠償ともなり得る。最低限度の質の保障であり、具体的には週2回の入浴や、夕食は18時以降の規定などがこれにあたる。
「サービスの質の向上」はサービスの質の保障をベースとした、顧客満足につながる質のサービスの事をいう。具体的には、きちんと笑顔で接する、傾聴するなどがこれにあたる。つまり、福祉サービスの質とは、社会の需要に根ざしたサービスの質と日本国憲法25条に基づく権利保障としてのサービスの質の側面がある事を理解しておきたい。
近年では、「地域展開」「小規模」という言葉がサービスの質の向上のためのキーワードとなっている。
具体的に、どのような取り組みが必要になってくるのかを挙げていく。地域展開・小規模化している組織が目指すサービスに対する考え方を全職員に浸透させることが第一である。考え方が浸透されていないと「ケアの考え方」が合わないということによる、人間関係の問題が生まれてくる。離職率の増加につながる重要な問題である。
次に職員の教育に関する事で、地域展開される福祉業界の中では、利用者中心のよりよいサービスを提供する為には、職員は家族や地域の人々との関係に配慮できる能力が必要となる。「ふるまう」能力や利用者や家族の真意を見極める能力が必要となってくる。小規模化される施設の中では、一つのユニットを一人の職員で対応する場面が多くなっている。職員は「自分で感じ、考え、判断し、それに対し、根拠をもって言語化できる」能力が求められている。具体的な教育の方法としては、入社時に組織の求めるサービスの質を説明することも重要であるが、その後も定期的な集まる機会を設けて目標を確認する事が重要である。また、職場外への研修などは職員の「感じる、考える」能力を鍛える重要なものであるので、ただ参加するだけでなく、研修の前後に振り返りをする場を設けることが重要である。
サービスの質をさらに向上する為には、現在提供されているサービスの質を、第三者に評価してもらうことも重要であるが、自己評価をして常に改善を行っていく必要がある。
サービスを利用している人、その人の生の声に一つ一つ応えて行く事こそが真のサービスの質の向上につながるのではないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿